バイクのカウルを缶スプレー塗装|初心者でも綺麗に仕上げるコツ

PAINT

前にやっていたブログで、バイクのカウルを缶スプレーで塗装する方法についてまとめた記事を書いたのですが、結構アクセスがありました。

カスタムとか傷の修理とかで自家塗装に挑戦する人が多いみたいですね。
フルカウルのバイクは全塗装するとかなりの金額になりますから、僕も何度か自分でやりました。

前のブログでは書ききれなかったこともあるので、綺麗に塗装する方法やコツについてこちらのブログにまとめ直そうと思います。

 手順

カウルの塗装に必要なモノ

  • 耐水ペーパー 320番,800番,1000番,1500番,2000番
  • ポリエステルパテ(傷の補修用)
  • プラサフ
  • 自動車塗装用のスプレー
  • ウレタンクリアースプレー
  • 洗剤とスポンジまたはシリコンオフ
  • コンパウンド,ワックス

下地作り

塗装の完成度は下地作りによって決まります。
時間のかかる大変な作業が多いですが、手間をかけるほど綺麗に仕上がります。

ステッカー・コーティングを剥がす

まずはじめにカウルにステッカーが貼ってある場合は剥がしましょう。
ドライヤーで温めながらだと剥がしやすいです。
お湯をかけながらやる人も多いみたいですね。

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320番の耐水ペーパーでツヤがなくなるまでヤスリます。

塗装がくっつきやすいように表面を凸凹にするためです。これを足付けといいます。 
この作業をサボると塗装がはがれやすくなって長持ちしませんよ。

カスを流しながらこまめに耐水ペーパーを取り替えながら行います。

元のステッカーや塗装が跡になっている場合は完成後に目立ってしまいます。
大変ですが頑張ってヤスリをかけましょう。 

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ポリパテを使ったカウルの傷の修理

傷がある場合はポリパテで埋めて修理しておきましょう。 
傷はやっぱり塗装したあと目立ってしまうので、ここをしっかりやると断然綺麗に仕上がります。

手順

  1. 補修する部分の油分をシリコンオフなどで取り除く
  2. パテを盛る
  3. 硬化後320番のペーパーで段差をならす

パテを削るときは空研ぎをします。
水研ぎをするとパテが水分を吸収してしまうからです。

 

脱脂 

プラサフにで下塗りをしますが、その前にカウルに付いている油分を落とします。
塗装面に油分が残っていると塗料をはじいてしまうからです。

脱脂にはシリコンオフなどを使う方法もありますが、僕は油汚れに強い台所用の洗剤で洗っています。
洗剤はスポンジで十分泡立てます。

カウルが乾いたら下塗りに入ります。

下塗り

プラサフで下塗りをします。
プラサフとはプライマーとサーフェーサーが一緒になったものです。

プライマーは下地と塗料の接着剤のようなもので、サーフェーサーは表面の微細な凸凹を埋めて滑らかにする役割があります。

 

缶スプレーは人肌くらいの温度に温めると綺麗に噴射できるので、お湯を張ったバケツの中に入れたりして温めるといいと思います。

プラサフは何回かに分けて吹き付けます。
1回目は軽く吹いて、油分が残っていて塗料がはじかれる部分がないか確認してみましょう。

重ね塗りを繰り返して、全体的にまんべんなく塗装します。
プラサフは垂れても修正ができるので、ゆっくりめに厚く塗って大丈夫です。

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傷やデコボコを再確認 

プラサフを塗ると傷やデコボコが確認しやすくなると思います。
気になるところは再度パテで修復して、プラサフを吹き直しましょう。

何度もめんどうですが、下地作りで手間をかけるほど完成度がグッと上がります。

足付け

800番の耐水ペーパーで水研ぎします。

ザラザラした表面をならしつつ、塗料の喰いつきをよくするためです。

2回目の脱脂

プラサフと同じく、カラー塗料も油分で弾かれてしまわないように脱脂します。

水溶きをした削りカスも残らないように綺麗に洗ってしまいましょう。

以上で下地作りが終わりました。

本塗り

いよいよカラーの塗装です。

これもプラサフと同じく、人肌に温めるのを忘れずに。

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綺麗に塗装するコツ

複数回に分けて重ね塗りをする

1回で塗ろうとせず薄く4~5回に分けて重ね塗りをしたほうが綺麗に塗れます。

1度に厚く塗ろうとして塗料が垂れてしまうと、また耐水ペーパーで削らなくてはいけないので注意してくださいね。

手を止めず、一定の方向に塗る

スプレーでの塗装では、ムラなく均一に塗るのが大事です。
なのでスプレーを吹いている間は手を止めないようにしなくてはいけません。

スプレーを折り返すときは、吹き付けながら折り返すとそこばかり塗料が厚くなってしまいます。
カウルの外側で折り返しましょう。

また噴射直後は塗料がダマになりやすいので、一瞬だけカウルにかからないように捨て打ちをしたほうがいいでしょう。

下手くそな図で申し訳ありませんが、グレーの部分をカウルとして、矢印がスプレーの軌道です。

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スプレーをランダムに動かしていくと、塗料が厚いところと薄いところができてムラの原因になります。 
なのでスプレーは一定の方向に動かしたほうが綺麗に仕上がります。

色が綺麗に塗れたら乾燥させ、その後1000番の耐水ペーパーで水研ぎし、再度脱脂します。

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クリアコーティング

最後はクリアコーティングです、

ガソリンに強いアクリルウレタンスプレーを使いましょう。

本数は250ccのフルカウルで、2本あれば足りると思います。

 

クリアーを綺麗に吹コツは、3回に分けて、塗り肌をよく見ながら塗装することです。

  • 1回目 3分塗り
  • 2回目 6分塗り
  • 3回目 10分仕上げ

くらいの感覚

1回目~3回目の塗りの間隔は、20℃で約120秒~180秒ほどがいいようです。

仕上げ

 

クリアが乾燥したら最後の仕上げ。

耐水ペーパー1500番,2000番で水研ぎし、コンパウンド(ワックス)で磨きます。

ピカピカになったらついに完成です!

最後に

各スプレーのメーカーが違っても問題がないやり方でまとめましたが、この記事で紹介している99工房のカラーペイントとクリアを使う場合は、カラーペイントを塗り終えてから2~4分後、そのままウレタンクリアを塗り始めることができます。

乾燥と水研ぎ、脱脂の手間を1度ずつ省けるのでちょっとだけ作業が楽になりますよ。